「これからの障害者雇用~多様な働き方を巡って~」ご報告

こんにちは。
株式会社ゆい事務局長の鹿内清和です。

先週の話ですが、札幌市の「就業・生活相談室からびな」さんが主催する「からびな学習会」に参加させていただき、障害者が働き続けられる職場づくりのヒントを得て大変勉強になりましたので、簡単にご報告致します。

「これからの障害者雇用~多様な働き方を巡って~」と題して、法政大学現代福祉学部の眞保智子(しんぼさとこ)教授がお話されていました。
眞保先生は経営学修士、経済学博士と経営や経済に明るく、同時に精神保健福祉士の資格も持っていらっしゃいます。
専門分野は若年者就労支援とキャリアデザイン/職業リハビリテーション/障害者雇用/休職者の職場復帰に関する従業員支援プログラムの開発などということです。
今回のお話では精神障害者の方々の力を引き出す雇用について、多くのお話をいただきました。
精神障害者の方の雇用についてのお話が中心だったことには理由があります。

現在法定雇用率が上がっておりますが、法定雇用率等の関係で中小企業が障害者を雇用したいと望む時に、

  1. 若い年代の障害者の雇用を望む時に、身体障害者の方はほとんどいない。(構造的に60歳以上の方が8割を占める)
  2.  新規に障害者雇用を望む場合、現在は精神障害者の雇用が一番多い。
  3. 大手企業が高い給料で障害者を雇う時に、身体・知的の障害者を選ぶ傾向が強い。

などの理由から、中小企業では精神障害者の雇用が避けて通れない状況にあるということでした。
これは、私がMerge時代にお話していた内容と一致しています。
そうした背景の中、精神障害者の方が一般企業で働き続けるために必要なこととして、

  1. 就業前の一定の準備(インターンシップによるOJT)
  2. 採用側として必要な採用基準
  3. 就業後の職場環境改善
  4. 上司のマネジメント力

と述べられていました。

私見ですが、これらのことは障害者に限らず人を雇う時に大切なことだと思います。
障害者を雇う時には特に意識する必要があると同時に、これらを意識することで企業の成長が促され、生産性の向上や新しい価値の創造が生まれるとのことでした。
眞保先生が「特異なものに特化して生産するとより多くの財を生産できる」という「比較優位」による分業のお話をされており、経済学者の視点から教わっていると感じました。
そして、分業による周辺業務から徐々に基幹業務へのステップアップを、OJTを通して行うことで人材育成を行うという視点も経営者として大切な視点だと改めて思いました。
このほかにも通院休暇の作成など様々な具体的な提案などもありとても勉強になりました。

学んだことすべてをこちらには書ききれませんが、こうした学びを下地として多くの企業の方と学び合っていきたいと思います。

今回は福祉サービスの関係者が多くいらしていましたが、眞保先生のお話は多くの企業の方に聞いていただきたいと思います。

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